Classiques japonais avec furigana
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さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lisez 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 699 caractères · 67 écrans
だから、小さな傷から命とりの破傷風が起こった時に、慌てて騒ぎ出すんだわ」
「うめえことを言やがるなあ。信州人は理屈っぽくって、頭がよくって、小ぢんまりしてて、なんて聞いてたが、天龍へ来て、半年経つか経たんのに、お前はそれ程頭が良くなったんかなあ。そんなに信州の山の空気は頭にいいのかなあ。こいつあうかつには、東京へ帰られねえぞ。子供たちのためにね。だがお前が今言った事はまったくだ。大きな出来事だけを重大視して、小さな出来事を軽視してはいけない。これは真理だ」
そこへ、郵便配達夫が、封筒を叮嚀に差し出した。
大山宛てに、友人から来たのだった。
封を切ると。
大山殿 Yより。
前略
本月は決算月ですから
是非々々数日中に御送金下さい
如何様お願いします
右
としてあった。
「なるほど、盆だ。こいつあいけねえぞ。まだ二口、三口、あるぞ。さあて弱った」
大山は、頭の中が熱くなった。彼は借金の催促の手紙を見れば、必ず頭が熱くなるのだった。頭が熱くなる、というのは、こいつは動脈硬化にとって、決して、いい結果を与えるものではない。が、それにしても、金を、「俺だけでも粗末にしてやろう」