Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lisez 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 699 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

ハッパ押え係りだったものだから、押えをとり外しながら、

「いやごもっともです。ちっとも出ないですか。そいつあいけない。弱ったなあ。こう毎日々々じゃ、水のない方はもちろん堪らないだろうが、わしもたまらんですよ。今、下に下りて行って、一つゆっくり御相談しましょう」

「そうして下さい。大山さん。死活問題ですよ。こんなことが続いたら、下宿の人も居てはくれなくなるし、私たち、乾上がっちまはねばなりませんよ。四十年も私たちはここに住んでいるんですからね。それが今になって水攻めに会おうなんて、悲しいですよ。大山さん」

と、この感情の強いおかみは、眼に涙さえ溜めるのだった。

大山は下に降りて行った。

花屋の前にも、どこかの水力発電所の監督らしい人の、高級なバラックが建っていた。

その辺の田だの桑畑だのには、赤インクだの、黒インキだの、ベニガラを塗ったのだの、白色レグホンの、雛がたくさん餌を漁っていた。これは少し説明を要するであろう。

この深い谿谷にも、東京の夜店で売っているのと同じ、白色レグホンの、かえったばかりの雛を、穴の明いたボール箱へ「詰めて」自転車の尻に載っけて、売りに来る商人があった。