Classiques japonais avec furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lisez 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 365 120 caractères · 728 écrans
「誰が火を放つ?」
「私が焼きましょう」
守人の手で、薪が落ち葉の底へ差し込まれると、むせるような土の香とともに、白い煙がぶすぶすともつれのぼる。
「古い物は焼け滅びる。これでよいのじゃ。これがその最後の勤めなのじゃ。この灰の中から、新しい力が抬頭して来る。のう、やがてはその天下じゃわい」
「先生、すこしおことばに気を付けて――」
「大事ない。ここはわしの庭じゃ。ごみを焼こうと世話を焼こうと、何人に気がねがいるものかい」
相良玄鶯院、両手を腰に、高だかと哄笑をゆすり上げた。
「お爺ちゃま」
という声がする。
いつのまにか起きて来たものか、これが新太郎であろう。河童頭にじんじんはしょり、五つ六つの男の子が、てんてこてん、てんてこてん座敷の縁ではねている。
「お! あぶない!」
それを見ると玄鶯院は、古いものも新しい物も忘れて走り寄った。
「おお、よちよち。起きたか、うん? 眼がさめたか」
抱き上げざま頬ずりをして、そのまま家へはいって行った。
あとには篁守人が、ひとりつくねんと燃えしぶる枯れ葉をみつめて考えている。
寝食を廃して国事に奔走する。なるほど雄々しい美しい名には違いないが、それがややともするとうつろな人間の、しかもほんの上っ面に過ぎないような気がしてならない。