Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lisez 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 365 120 caractères · 728 écrans

Aozora Bunko

何かいわくがありそうだからきくんだが、戸外へ出てもいいからだかね? なんならわしがくんで来てやるが」

「はあ、いえ、あの、かまいません」

渡る世間に鬼ばかりもいない。

何から何まで届く人、伯父さんとでも呼びかけたいような――。

釣瓶うつしに冷たい水で顔をしめしながら、女は、幾年にもなくふと甘い幼ごころに返った。

誰かの胸に泣いても泣いても泣き足りないのはこのはかなさ。

思えば、津賀閑山の店からこの家へ来るまで、なんというめまぐるしい運命の手にもてあそばれたことであろう。

が、ここが当座のねぐらという気がする。

袖すりあうも他生の縁、この人とならば膝をつき合わしていても安心だ。

――添われまいとて苦にせまいもの、命ありゃこそ花も咲く。

どうせ恋しいお方と住めない以上は、広い浮世に宿がないのも同然、誰と暮らそうとおんなじことで、大事なものだけは大事にして、まあ、しばらくここに腰をすえましょう。

井戸をのぞいて水鏡。

気のせいか、一昼夜の心労にげっそり痩せて見える。

女はさびしくほほえんで空を見上げた。

からりと晴れ渡った初夏の朝。

松平下総守様の高塀が三味線堀のさざなみに揺れて、夜露に翼を光らせたぬれ燕が、つうっ、ついと白い腹をひらめかせている。