Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ていぎんじけんをろんず
帝銀事件を論ず
Lisez 帝銀事件を論ず (ていぎんじけんをろんず) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 227 caractères · 15 écrans
四囲の現実とはなにか、まず焼け野原である。小さな家屋の唐紙一重にへだてられた雑居生活である。そこでは一本の薪、一片の炭が隣人にかすめ盗られることを憂い、いな、親兄弟が配給の食膳の一握りの多寡を疑い、子は親に隠して食い、親は子の備蓄を盗み、これをしも魂の荒廃、魂の戦争といわずして、何事が戦争であるか。
一足出れば、殺人電車である。私も一度、その中央に胸を押しつめられ窒息死に致るところで、その恢復に時日を要したことがあり、それいらい、私は電車がすくまで何時間でも待つことにしているが、勤めの人には左様な時間のゼイタクはできないに相違ないから、いやでも決死の覚悟で乗らねばならぬ。扉に外套がひっかかっている、電車が動きだす、外套をはさまれた男は止めてくれ、助けてくれ、と電車とともに走りだす、ホームの人はようやく気づく、気づいたときには男はすでにホームをひきずられている、ホームの人々がワアワア騒ぐが、後部の車掌は平然とホームの騒ぎに睨みをくれて、やがて車は人をブラ下げてひきずりつつ闇へ消え去る。これは私が東京新聞の記者とともに目撃した事実なのである。やがてキャーッという悲鳴をきくや、私たちは見るに堪えず、地下道さして、期せずして一目散に逃げだした。