Classiques japonais avec furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lisez 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) de 高村 光雲 (たかむらこううん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 177 caractères · 5 écrans
親たちの心配もさぞかし。これは如何してもその抜け道を利用して何んとかこの場を切り抜けて始末をせんければならないと師匠東雲師が先に立って、いろいろ苦心をされ知り合いのうちにこんなことを引き受けて奔走する人があって、その人に相談をすると、次男なら仮りの親を立てれば好い。誰か仮りの親になる人がないかということであった。そこで師匠は直ぐに思い付き、
「それは格好な人がある。私の姉悦が、今日まで独身にて私の家にいる。それに一軒持たして、幸吉を養子に、同時に戸主にしては如何でしょう」
というと、その人は、それが好かろう、しかし、日限が迫っているから、大急ぎという。で、師匠は右の趣を姉お悦に話すと、もちろん承知で、早速、堀田原に、かねてから師匠が立ち退きの用心の家を一軒持っていた其家へ引き移ることにしたのであった。この事につき万事その人が始末を附けてくれました。
堀田原の家は二間あって、物置きが広い。お悦さんが籍を移し、私が養子となり、今まで中島幸吉であった私が高村幸吉となった訳であります。私が高村姓を名乗るようになったのは全く徴兵よけのためであったので、これで一切始末が附いて、私は兵隊にならずに終んだのでありました。