Classiques japonais avec furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lisez 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 548 caractères · 161 écrans
」
こんなのは文壇でも流石に屑の方であろう。しかし不幸にして私の友人は大抵屑ばかりだ。こんな人のこんな風袋ばかり大きくても、割れば中から鉛の天神様が出て来るガラガラのような、見掛倒しの、内容に乏しい、信切な忠告なんぞは、私は些とも聞き度ない。私の願は親の口から今一度、薄着して風邪をお引きでない、お腹が減いたら御飯にしようかと、詰らん、降らん、意味の無い事を聞きたいのだが……
その親達は最う此世に居ない。若し未だ生きていたら、私は……孝行をしたい時には親はなしと、又しても俗物は旨い事を言う。ああ、嬉しいにつけ、悲しいにつけ、憶出すのは親の事……それにポチの事だ。
十
ポチは言う迄もなく犬だ。
来年は四十だという、もう鬢に大分白髪も見える、汚ない髭の親仁の私が、親に継いでは犬の事を憶い出すなんぞと、余り馬鹿気ていてお話にならぬ――と、被仰るお方が有るかも知れんが、私に取っては、ポチは犬だが……犬以上だ。犬以上で、一寸まあ、弟……でもない、弟以上だ。何と言ったものか? ……そうだ、命だ、第二の命だ。恥を言わねば理が聞こえぬというから、私は理を聞かせる為に敢て耻を言うが、ポチは全く私の第二の命であった。