Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lisez 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 548 caractères · 161 écrans

Aozora Bunko

驚いて目をポッチリ明き、いたいげな声で悲鳴を揚げながら、四足を張って藻掻く中に、頭から何かで包まれたようで、真暗になる。窮屈で息気が塞りそうだから、出ようとするが、出られない。久らく藻掻いて居る中に、ふと足掻きが自由になる。と、領元を撮まれて、高い高い処からドサリと落された。うろうろとして其処らを視廻すけれど、何だか変な淋しい真暗な処で、誰も居ない。茫然としていると、雨に打れて見る間に濡しょぼたれ、怕ろしく寒くなる。身慄い一つして、クンクンと親を呼んで見るが、何処からも出て来ない。途方に暮れて、ヨチヨチと這出し、雨の夜中を唯一人、温かな親の乳房を慕って悲し気に啼廻る声が、先刻一度門前へ来て、又何処へか彷徨って行ったようだったが、其が何時か又戻って来て、何処を如何潜り込んだのか、今は啼声が正しく玄関先に聞える。

十二

「阿母さん阿母さん、門の中へ入って来たようだよ。」

と、私が何だか居堪らないような気になって又母に言掛けると、母は気の無さそうな声で、

「そうだね。」

「出て見ようか?」

「出て見ないでも好いよ。寒いじゃないかね。」

「だってえ……あら、彼様に啼てる……」