Classiques japonais avec furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lisez 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 548 caractères · 161 écrans
が、標札を見れば此家に違いないから、潜りを開けて中に入ると、直ぐもう其処が格子戸作りの上り口で、三度四度案内を乞うて漸と出て来たのを見れば、顔や手足の腫起んだような若い女で、初は膝を突きそうだったが、私の風体を見て中止にして、立ちながら、何ですという。はてな、家を間違えたか知らと、一寸狼狽したが、標札に確に小狐三平とあったに違いないから、姓名を名告って今着いた事を言うと、若い女は怪訝な顔をして、一寸お待ちなさいと言って引込んだぎり、中々出て来ない。車屋は早く仕て呉れという。私は気が気でない。が、前以て書面で、世話を頼む、引受けたと、話が着いてから出て来たのだし、今日上京する事も三日も前に知らせてあるのだから、今に伯母さんが――私の家では此家の夫人を伯母さんと言いつけていた――伯母さんが出て来て好いように仕て呉れると、其を頼みにしていると、久らくして伯母さんではなくて、今の女が又出て来て、お上ンなさいという。荷物が有りますと、口を尖がらかすと、荷物が有るならお出しなさい、というから、車屋に手伝って貰って、荷物を玄関へ運び込むと、其女が片端から受取って、ズンズン何処かへ持ってッて了った。