Classiques japonais avec furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lisez 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 548 caractères · 161 écrans
私は少し本意なかったが、やがて奥まった処で琴の音がする。雪江さんに違いない。雪江さんはまだ習い初めだと見えて、琴の音色は何だかボコン、ボコン、ベコン、ボコンというように聞えて妙だったけれど、私は鳴物は大好だ。何時聴いても悪くないと思った。
で、遠音に雪江さんの琴を聴きながら、主人の勘定高い話を聴いていると、琴の音が食料に搦んだり、小遣に離れたりして、六円がボコン、三円でベコンというように聞えて、何だか変で、話も能く分らなかったが、分らぬ中に話は進んで、
「で、家も下女一人外使うて居らん。手不足じゃ。手不足の処で君の世話をするのじゃから、客扱いにはされん。そりゃ手紙で阿父さんにも能う言うて上げてあるから、君も心得てるじゃろうな?」
「は。」
「からして勉強の合間には、少し家事も手伝うて貰わんと困る。なに、手伝うというても、大した事じゃない。まあ、取次位のものじゃ。まだ何ぞ角ぞ他に頼む事も有ろうが、なに、皆大した事じゃない。行って貰えような?」
「は、何でも僕に出来ます事なら……」
「そ、そ、その僕が面白うない。君僕というのは同輩或は同輩以下に対うて言う言葉で、尊長者に対うて言うべき言葉でない、そんな事も注意して、僕といわずに私というて貰わんとな……」