Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうふくのはさみ

幸福のはさみ

小川 未明

Lisez 幸福のはさみ (こうふくのはさみ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 458 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

どの家も戸を締めてしまって、わずかに、戸のすきまから、内部に点っている燈火の光が、寒い、さびしい外の闇の中に、幽かな光を送っているばかりでありました。

小さな、田舎町は、おなじように、早くから、どこの店も戸を締めてしまいました。正吉は、平常、歩き慣れていましたので、一筋の道をたどってゆきました。どこか遠くの方で、犬のないている声が聞こえたのであります。ようやく、町に入ろうとしました。するとそこにお寺がありました。

寺の境内にはたくさんの木が植わっています。そして、いまは、いずれも黄色に真っ赤に、葉が色づいていました。しかし、それらは、夜でありますから、ただ音だけが聞こえるばかりで、はらはらと風の襲うたびに騒がしく散っていました。

正吉は、お寺の門前に、ただ一つ提燈をつけて、露店を出している人があるのを遠くからながめました。夏の夜や、縁日の晩などには、よくこの町にも露店が出ましたけれど、こんなに寒くなってからは、出歩く人も少ないので、ああして露店を出しても品物を買うものがないだろうにと、思われたのでありました。

その提燈の火は、紙がすすけているので、暗うございました。