Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こううんのほくろ

幸運の黒子

海野 十三

Lisez 幸運の黒子 (こううんのほくろ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 913 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

「おお……」

彼はもう少しで大声を出すところだった。逃げるように急ぎ足で部屋を出ていくその看護婦の肉づきのいい顎の右側に、黒大豆をそっと貼りつけたような黒子が明らかに認められた。おお、幸運の黒子!

往来へ出ると、半平は若い看護婦から掌のうちに握らされたいくつにも折り畳まれてある紙片を開いてみた。そこには鉛筆の走り書きで、こんな文面が認められてあった。

『失礼ごめんあそばせ。病院で一回三円かかる注射を、あたしの下宿へ午前八時二十分までにおいでくだせれば半額でいたします。

小石川区××町つぼみアパート七号室

唐崎みどり』

半平の顔が、だらしなく解けた。行人の巷に曝すのが苦しいにこにこ顔だった。

(幸運の黒子を持った女をひと目見ただけで、こうも運がよくなるものか!)

注射料は半額で済むことにはなるし、幸運に恵まれた若い女は探し当てるし、それに、あの唐崎さんという看護婦の素晴らしい性感はどうだ!

彼はすぐにも飛んで帰って、唐崎さんと握手をしたくてたまらなかった。

筋書どおりに、唐崎さんといつしか同棲するようになった半平だった。新婚旅行も唐崎さん――ではない新妻みどりの稼ぎ貯めた財布のお陰で南伊豆まで遠出をし、温泉気分と夫婦生活とを満喫することができた。