Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まぼろしのかなた
幻の彼方
豊島 与志雄
Lisez 幻の彼方 (まぼろしのかなた) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 763 caractères · 84 écrans
然しその様子は、殆んど望みのないことを語っていた。
もはや時期の問題だ!
然しその底から、絶望的な反抗の気勢が、順造の胸に時々湧き立った。俺がついてる間は死なせない、そう心に誓った。そして彼は出来るだけ病室から去らなかった。少しでも彼女の側を離れると、云い知れぬ不安に駆られた。夜もその室に寝ることとした。
宿に行って荷物を取って来たい、そして一晩泊ってきたい、と竜子が申し出た時、順造は怒鳴りつけるような調子で云った。
「君は帰ってくるんですか、来ないんですか。」
竜子は呆れたように彼の顔を見返した。
「はっきりしとかないと、僕は非常に困るんだから。」
「では、」と竜子は暫くして云った。「荷物だけ持ってすぐに帰って参ります。」
「ああそうし給い。俥で行ったらじきだろう。」
竜子が出て行った後で、ねんねこにくるまった順一を抱いて、離れの室の中を歩き廻ってるうちに、彼はふと先刻の竜子との応対を思い出して、我ながら可笑しくなった。大きな声で笑ってみたくなった。が次に、何とも云いようのない憂鬱に襲われた。
秋子も順一も自分自身も、どうとでもなるようになるがいい!
彼は畳の上にごろりと寝転んで、順一に腕枕をさして抱きながら、ぼんやり天井を眺めていた。