Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lisez 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 544 caractères · 161 écrans

Aozora Bunko

少年の用いていた餌はけだし自分で掘取ったらしい蚯蚓であったから、聊かその不利なことが気の毒に感じられた。で、自分の餌桶を指示して、

この餌を御使いよ、それでは魚の中りが遠いだろうから。

少年は遠慮した様子をちょっと見せたが、それでも餌の事も知っていたと見えて、嬉しそうな顔になって餌を改めた。が、僅に一匹の虫を鉤に着けたに過ぎなかったから、

もっとお着け、魚は餌で釣るのだからネ。

少年はまた二匹ばかり着け足した。

今まで何処で釣っていたのだい、此処は浮子釣りなんぞでは巧く行かない場だよ。

今までは奥戸の池で釣ってたよ、昨日も一昨日も。

釣れたかい。

ああ、鮒が七、八匹。

奥戸というのは対岸で、なるほどそこには浮子釣に適すべき池があることを自分も知っていた。しかし今時分の鮒を釣っても、それが釣という遊びのためでなくって何の意味を為そう。桜の花頃から菊の花過ぎまでの間の鮒は全く仕方のないものである。自分には合点が行かなかったから、

遊びじゃないように先刻お言いだったが、今の鮒なんか何にもなりはしない、やっぱり遊びじゃないか。

というと、少年は急に悲しそうな顔をして気色を曇らせたが、