Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lisez 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 59 103 caractères · 121 écrans

Aozora Bunko

女中はいんぎんに女に問うた。

「阿難」

女は自分の名前を勝手にアナンと呼び、人に呼ばせてもいた。

「奥様唯今、御留守でございます」

女は黙ってふたたび頭をさげて立ち去った。

女中はその後姿をみえなくなる迄見送っていた。女は道をまがる時くすりと笑った。太陽がすこしまぶしかった。

女は貧民街を歩いていた。真白いたびに、ぬかるみの汚点が二三カ所ついた。女は別に気にしなかった。

バラック建ての家の前へ来た。女は、ごめんくださいましと声をかけた。二階のガラス戸があき、やせた手が、そしてほつれ髪の女の瞳が見降ろされた。女は片手を膝まで届かせて長い御辞儀をした。

「阿難でございます」

女は静かにうなじをあげて二階へ声をかけた。二階の女は無愛想に用件を尋ねた。女は例の角封筒を出した。

「御よみ下さいませ、阿難からでございます」

女はそれを指先にはさみ、肘まで白い腕を出して軽く高いところでゆすった。二階の女が階下へ降りて来た時、格子戸にその白い角封筒がはさまれてあった。既に阿難といった女の姿はみえなかった。

女は骨董商を訪れた。太った主人は愛想よく女をむかえいれ茶を出した。