Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lisez 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 59 103 caractères · 121 écrans
マネキン あなたも(強く)なのよ。あなた以外の人もよ。人間がよ。あわれなのよ。
諏訪子 …………
マネキン ほら、私の姿。あなたの姿。くらべてごらんなさい。
諏訪子 あなたの瞳は動かないわ。
マネキン そうよ。
諏訪子 あなたの顔はいつも同じだわ。
マネキン そうよ。で何故だかわかってて?
諏訪子 人形だからよ。
マネキン 心がないからじゃありませんか。心ってのも、人間のつくったおかしな場所だけど。つまり、危険地帯にもなるし安全地帯にもなるし。
諏訪子 …………
マネキン 都合のいい時にゃ、透明な液体をふん出させる。
諏訪子 涙ってわけね。
マネキン そう。だけどさ。それが、都合の良い時ばかりじゃないのよ。心は便利なようにみえて、おそろしく不便利なのよ。すくなくとも二十世紀には無用の長物でさ。
諏訪子 私、鏡の中の自分をみつめていると、だんだんほんとうらしく思っていた自分がうそのようにみえて来るわ。
マネキン もっとみてたら、まるでうそになっちまう筈よ。人間って、だからあわれよ。私なんか、いつまで鏡をみてたってさ。人形の私であることに何ら矛盾もないしさ。当然だし、それは変化しないものなのよ。