Classiques japonais avec furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lisez 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 392 caractères · 64 écrans
私は、その男の隣りに、だから、彼と男の真中にいたのです。私は、見知らぬ人に、体にふれられるの、とても嫌なんです。見知らぬ人でなくともそうなんです。だから、カーッとなりました。男は若輩の巡査かよた者のようでした。巡査であろうと思います。指に繃帯をして居りました。何かかんか云い出して来て、俺はこんな者だと披露し、私と彼の名前をきくのです。彼は、とても機嫌よくその男の話相手になりました。ところが私にとっては、その行為はさみしいことなんです。そのうち、又もや、男は私に肩組して来ました。そして、あなたは誰だというのです。その前に、彼にも誰だときき、彼は、本名と住所をかいて、彼に渡していました。私は、感情的に、皮膚的に男を嫌がっていました。ふと思いついたのです。私のハンドバッグの下に、封筒があったのを。その日、民芸品の店屋から、原稿を頼まれていて、二枚ばかり書いた後一二枚の白い原稿用紙が、その封筒にはいって手許にあったのです。私は、その封筒(じょうぶくろっての)を、裏がえして男の前につき出したのです。
兵庫県警察局長、とかいたはんが押してあったのです。男の血相がかわりました。