Classiques japonais avec furigana
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かんとんねぎ
広東葱
国枝 史郎
Lisez 広東葱 (かんとんねぎ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 425 caractères · 15 écrans
その時ゾロゾロと戸口から、どうやら支那の留学生らしい、一群が室の中へ這入って来た。
「留学生だね、彼奴等は?」と、新井君は云って自分を見たが、
「君は東京へ来たばかりだから、そんな噂は聞かないだろうが、何んでも宗社党の或る親王の、姫君が日本へ来たとか云うので、宗社党に属している留学生達が、窃かに何か企んでいるそうだ」
「何んな事だね?」
「それは是れから探ぐるのだが……オヤ! オヤ! こいつは広東葱だ!」こう云って新井君は皿の中から葱の一片をつまみ上げた。私も自分の皿を見た。料理に混って沢山の葱が細かく刻まれて這入っていた。
「広東葱って何のこと?」
「広東葱は広東葱さ……ほんとにこの店は感心だ。本場の物を使っている。しかし一体広東葱を何処に保存しているのだろう。それとも支那から取り寄せるのかな。それとも作ってあるのかしら?」などと云って新井君はその葱を珍らしそうに見廻わしていた。
翌日自分が二階にいると、新井君がフラリと這入って来た。
「例の支那料理へ行こうじゃ無いか。今日は一つ僕が御馳走しよう」
「大分お気に召した様子だね」自分は笑って立ち上った。
「本場の料理を食わせるからね」