Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょみんせいかつ
庶民生活
豊島 与志雄
Lisez 庶民生活 (しょみんせいかつ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 353 caractères · 21 écrans
冬のことで、峠の茶屋の硝子戸は閉めてあったが、その硝子を避けて、下框のあたりに、彼は砂利を投げつけていた。その時、近所の奥さんらしいひとが店にはいりかけると、その足元へ砂利を投げつけた。彼女はちらと見返ったが、素知らぬ顔をして店にはいった。店の中のおばさんも、素知らぬ顔をしていた。その様子から見ると、彼女たちは彼のことをよく知っていながら、酔っ払ってるから相手にしないという風だった。
彼女たちばかりでなく、実は私も、彼のことを知っていた。度々その店で出逢ったことがあるからだ。近くに住んでる内山昌二という画家だった。画家といっても謂わばよろず屋で、洋画を少し書き、雑誌の※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)絵などを少し書き、漫画めいたものを少し書いていた。
内山が酒喰いなことは、たいていの人はみな知っていた。朝から酔っ払ってることさえあった。だが、往来ばたに坐りこんで砂利を投げ散らしてるのは、ちとひどすぎた。平素着の着流しに安物の下駄をはき、半白の頭髪をもじゃもじゃさしていた。怒っているのか面白がっているのか、顔の表情では見分けがつかなかった。