Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いようへん
影を踏まれた女
岡本 綺堂
Lisez 影を踏まれた女 (いようへん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 110 caractères · 46 écrans
三十間堀の大きい船宿に師匠をひいきにする家がある。そこへ行って今夜は泊めて貰おうと思いついて、転げ込むようにそこの門をくぐると、帳場でもおどろいた。
「おや、どうしなすった。ひどく顔の色が悪い。急病でも起ったのか。」
実はこういうわけだと、息をはずませながら訴えると、みんなは笑い出した。そこに居あわせた芸者までが彼の臆病を笑った。しかし彼にとっては決して笑いごとではなかった。その晩はとうとうそこに泊めてもらうことにして、肝腎の月の出るころには下座敷の蚊帳のなかに小さくなっていた。
あくる朝、根岸の家へ帰ると、ここでも皆んなに笑われた。あんまり口惜しいので、もう一度出直して御徒町へ行って、近所の噂を聞いてみると、かの貸家には今まで別に変ったことはない。変死した者もなければ、葬式の出たこともない。今まで住んでいたのは質屋の番頭さんで、現に同町内に引っ越して無事に暮らしている。しかしその番頭の引っ越したのは先月の盂蘭盆前で、それから二、三日過ぎて迎い火をたく十三日の晩に、ひとりの婆さんがその空家へはいるのを見たという者がある。
その婆さんはいつ出て行ったか、誰も知っている者はなかったが、その後ときどきに、そのばあさんの坐っている姿をみるというので、家主の酒屋でも不思議に思って、店の者四、五人がその空家をしらべに