Classiques japonais avec furigana
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やくしゃのいっしょう
役者の一生
折口 信夫
Lisez 役者の一生 (やくしゃのいっしょう) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 324 caractères · 31 écrans
結局田之助や菊五郎の影響を受けたことが、源之助を運命的に芸質を退転させた。とまれ源之助は、生世話物の調子のよさでは、近頃第一の人であろう。声はわるいが、うらがれ声で芝居道での所謂よい調子であった。
二
切られお富の薩峠の場の科白に「お家のためなら愛敬捨て、憎まれ口も利かざあなるまい」というのがある。この科白は女形の或特性を表していると思う。
最近私は尾沢良三氏の女形論を読んで、いろいろ得るところが少くなかった。併し私としては、尾沢氏の考えと関係なしに語りたい。女形に美しい女形と美しくない女形とがある。立役・女形を通じて素顔の真に美しい人の出て来たのは、明治以後で、家橘・栄三郎のような美しい役者は今までなかった、と市川新十郎が語っていたくらいである。これは明治代の写真を見ればわかる事で、それには写真技術の拙さという事もあろうけれど、一体に素顔のよくない女形が多かった。岩井半四郎などは美しかったというけれども、どの程度だったかについては、多分に疑問が残ると思う。例えば、最近死んだ坂東秀調は美しい女形であったが、その先代の秀調は団菊の相手役をしたくらいの女役だったが、器量は決してよくなく、青い顔をして、真中にくくれがあった。