Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かれ だいに
彼 第二
Lisez 彼 第二 (かれ だいに) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 491 caractères · 12 écrans
ある粉雪の烈しい夜、僕等はカッフェ・パウリスタの隅のテエブルに坐っていた。その頃のカッフェ・パウリスタは中央にグラノフォンが一台あり、白銅を一つ入れさえすれば音楽の聞かれる設備になっていた。その夜もグラノフォンは僕等の話にほとんど伴奏を絶ったことはなかった。
「ちょっとあの給仕に通訳してくれ給え。――誰でも五銭出す度に僕はきっと十銭出すから、グラノフォンの鳴るのをやめさせてくれって。」
「そんなことは頼まれないよ。第一他人の聞きたがっている音楽を銭ずくでやめさせるのは悪趣味じゃないか?」
「それじゃ他人の聞きたがらない音楽を金ずくで聞かせるのも悪趣味だよ。」
グラノフォンはちょうどこの時に仕合せとぱったり音を絶ってしまった。が、たちまち鳥打帽をかぶった、学生らしい男が一人、白銅を入れに立って行った。すると彼は腰を擡げるが早いか、ダム何とか言いながら、クルウェットスタンドを投げつけようとした。
「よせよ。そんな莫迦なことをするのは。」
僕は彼を引きずるようにし、粉雪のふる往来へ出ることにした。しかし何か興奮した気もちは僕にも全然ない訣ではなかった。僕等は腕を組みながら、傘もささずに歩いて行った。