Classiques japonais avec furigana
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おはぎとななくさがゆ
御萩と七種粥
河上 肇
Lisez 御萩と七種粥 (おはぎとななくさがゆ) de 河上 肇 (かわかみはじめ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 614 caractères · 23 écrans
女中に向って絶間なく口ぎたない小言を浴びせ掛けられるので、客に来ている私は、その剣幕に、顔を上げて見て居られない思いがした。しかし之はいつものことらしく、青楓氏も夫人も別に之を制止するでもなかった。そればかりか、夫人の態度も頗る之に似たものがあった。食後の菓子を半分食べ残し、之はそっちでお前が食べてもいいよと云って、女中に渡された仕草のうちに感じられる横柄な態度、私はそれを見て、来客の前で犬に扱われている女中の姿を、この上もなく気の毒なものに思った。貧しいがために人がその人格を無視されていることに対し、人並以上の憤懣を感ぜずには居られない私である。私はこうした雰囲気に包まれて、眼を開けて居られないほどの不快と憂欝を味った。
私は先きに、人間は人情を食べる動物であると云った。こうした雰囲気の裡に在っては、どんな結構な御馳走でも、おいしく頂かれるものではない。しかし私はともかく箸を取って、供された七種粥を食べた。浅ましい話をするが、しゃれた香の物以外に、おかずとしては何も食べるものがなかったので、食いしんぼうの私は索然として箸をおいた。
人は落ち目になると僻み根性を起し易い。