Classiques japonais avec furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Lisez 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 21 483 caractères · 43 écrans
ことなれば、なにとぞお慈悲をもちまして……」「もうよい、わかっている」家康は手を振りながら、ふとその両眼を閉じ頭を垂れた、かなりながいことそうしていたが、やがてしずかに面をあげて「……二度とはならぬが、このたびはゆるす、そのほうすぐみにいってやれ」「……はっ」「生死にかかわらず是を遣わすぞ」そう云いながら、家康は着ている陣羽折をぬいでさしだした、康政は押し戴いて受け、幕営をさがるとそのまま、夜道をかけて菩提山へ向った。
康政主従が山上へたどり着いたのは明くる日の黄昏まえだった。足の踏むところ、眼を向けるところ、どこもかしこも死躰だった、焼けた望楼や崩れた塁壁の下まで捜したが、息のある者は一人もなかった。防げるだけ防ぎ、さいごには敵が斬り込んで来たとみえ、刺し違えて死んでいる者がずいぶんあった、なかには負傷して身うごきができなかったのだろう、自ら屠腹した者も十人あまりいた。土田源七郎の死躰は御馬印の下にみつかった、そこでもっとも烈しい戦いがあったらしく、折り重なっている二十人あまりの屍は、兜がとび鎧はずたずたに千切れ、持っている