Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こころのかわ

心の河

宮本 百合子

Lisez 心の河 (こころのかわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 442 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

さよは、良人に興味を持たせたく、一生懸命に云った。

「吉村さんと鈴木さんとは同じ実業家でしょう。実業家といっても二人は実業につく動機がまるで異うと思ったの、そのこと――」

「厄介なことになったな」

保夫は間に合わせな答をした。

「第一、男の見た男と、女の見た男とは大分違うよ」

「いやな方!」

さよは、酸いような笑いを笑った。

「違うからこそ当てて頂戴と申上るのよ。あの二人は性格が随分異っているでしょう、その違いを私がどう感じたかということなのよ」

「さあ――大体何だろう、鈴木は神経質で、考え出すと眠れないという方だが、吉村はずっと太っ腹だろうな。大損をしてハッハッハッと笑うのは、吉村でなけりゃあ出来ない芸当だろうな」

さよは、詰らなそうに良人を見た。彼女は諦めきれない風でつけ足した。

「私の云った要点とまるで違ってよ、それは」

「だって彼奴の性格はそうだよ。事実だから仕様がない」

さよは黙り込んだ。彼女は何ともいえない物足りなさと淋しさとを感じた。せっかく一心に矢を射いても、いざというところで的がくらりと斜かいになり、徒に流れ矢となって落ちてしまう。さよは、せめてかっちり、要点だけは受けとめて欲しかった。