Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こころのしらべ

心の調べ

宮城 道雄

Lisez 心の調べ (こころのしらべ) de 宮城 道雄 (みやぎみちお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 958 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

次に、同じ雨の音でも春雨と秋雨とでは、音の感じが全然違っている。風にそよぐ木の音でも、春の芽生えの時の音と、またずっと繁った夏の緑の時の音とは違うし、或は、秋も初秋の秋草などの茂っている時の音と、初冬になって、木の葉が固くなってしまった時の音とは、また自ら違うのである。それから、紅葉の色も、自分には直接見えないけれども、その側に行くと、自分には何となくその感じがする。

私は或る時、音楽学校から岐阜へ演奏旅行に行ったことがある。その時は、昼と夜と二度演奏をしたのであるが、昼の演奏を済ませてから、知事さんの招待で長良ホテルという所に行った。そして、私の傍に居合わせた者が皆、景色がよいといっていたが、私も何となく、河原が広いという感じがしたし、東京を遠く離れてやって来たという感じが沁々としたのである。昔、在原業平が遠く都を離れて東へ来た時に、都鳥を見て読んだ、

名にしおはばいざこと問はん都鳥

我が思ふ人はありやなしやと

という歌を思い出して、私は何か知らそういった気持になったことがあった。

今日はスピード時代で、東京を遠く離れた所も汽車でわけなく行かれるのであるが、しかし、旅で夕方などになると、随分遠い所に来たような感じがする。