Classiques japonais avec furigana
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こころもちについて
心持について
宮本 百合子
Lisez 心持について (こころもちについて) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 032 caractères · 2 écrans
手紙の重み
ヒョータン形の郵便の目方はかりではかりつつ
「実際こんな手紙に 六銭はんなけゃならないなんて 癪だわ」
見て知らん振
銀座 雨もよい weekday の午後一時すぎ むこうから特長のある石川湧の鳥打帽 タバコをふかしつつ コバルト色のコート 傘の若い女と並んで歩いて来る、女私の前を通すぎるとき 傘を傾けて顔をかくしてしまう 湧 煙草をふかし こっちを見、しかし 知らぬものを見ているように見て通りすぎてしまう。
朝 ロク 洗面所で
「この頃 **人が 石川湧にフランス語を習ってるんだって」
「フーム」
「唯ケンを出てしまったんだってね 盛ニユイケンのわる口 云ってたそうだ」
「こわくなってやめたんだろう この頃狙われてるから」
「ナカナカ悧口だって云ってた」
「ふむ それがね どうも……」
あの若い女のひとと彼とのこと
その彼ときょうの女とのこと いろいろ
○彼女が身のまわりに持っている雰囲気の中には
常にある爽やかさがあった。
それが生活の或時期では健康さと芸術に対する野心から
次の時期には単純であるが確信に満ちたガンばりから
そして最近それは度々の鍛練によって引しまりやきがはいり、ばねはつよく正確になって、落付きしかも一層澄みとおったような爽やかさとなって来たのを○子は感じた。