Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lisez 心理試験 (「しんりしけん」じょ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 338 caractères · 197 écrans

Aozora Bunko

言いかえれば、江戸川兄の作品は、読者をして、息もつがせずに読み終らせ、そして読者に十分な知的満足を与えるのであって、要するに、面白いから面白いと言うより外はないのである。

一般に、探偵小説そのものについて、一たい探偵小説の何処が面白いかときかれても、私は一寸返答に困る。やはり、面白いから面白いのだと答えるより外はないのである。探偵小説は、これを食物に譬えるならば、一種の刺戟剤であって、「わさび」や「しょうが」を何故好きかと問われても一寸返答に困ると同じである。「わさび」や「しょうが」には栄養価が少なく、栄養学上、人間の生存にとっては無くてもかまわぬものであるけれど、少くとも私自身ほしくてならぬように、たとい探偵小説が、一部の文芸批評家によって、その存在理由を疑われてもやはり、私自身にとっては無くてはならぬものである。しかし、「わさび」や「しょうが」が、間接に胃を刺戟して、人体の栄養を助けるように、探偵小説もまた、人間の生活にうるおいを持たせて、「間接に」、人心の向上に役立たないものでもあるまい。たとい人心の向上に少しも役立たなくても、探偵小説の持つ、怪奇と恐怖と諧謔の味を享楽する丈で十分ではないか。