Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いかりのむし
怒りの虫
豊島 与志雄
Lisez 怒りの虫 (いかりのむし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 457 caractères · 24 écrans
ところが、どうも生き返る見込みがなさそうだから、暑くならないうちに切り倒して、害虫の蔓延を防ごうということになったが、有力な反対が起った。なにしろ一種の神木に関することであり、慎重を期する必要があるので、も一度、専門の博士に鑑定を仰ぎたい。ついては、木山宇平がこんどあちらへ行く際に、その博士を同道願えないものだろうか。そういう頼みだった。
木山は忘れていたが、明後日、彼は出張する予定だったのである。
木山は聞いていて、かっとなった。事務員を怒鳴りつけた。
「予定はあくまでも予定だ。僕があちらへ行こうと行くまいと、それは僕の勝手じゃないか。僕の方にだって都合があるからね。」
彼は由美子のことを思い出していた。
「松の木のことなんか、今明日にさし迫った問題じゃあるまい。」
くどくどと、弁解の言葉が受話器に伝わってきた。
「だいたい、ばかげた話だ。何が神木かね。まだそんな迷信が残ってるのか。さっさと切り倒せばいいじゃないか。」
くどくどと、また弁解の言葉だった。
「そんなこと、取り合うのがばからしい。電報を打つんだ。松食虫に相違ないから、切り倒せと、電報にするんだ。