Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

Lisez 思い出す事など (おもいだすことなど) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 57 003 caractères · 113 écrans

Aozora Bunko

仰向に寝て、両方の肘を蒲団に支えて、あのくらいの本を持ち応えているのにずいぶんと骨が折れた。五分と経たないうちに、貧血の結果手が麻痺れるので、持ち直して見たり、甲を撫でて見たりした。けれども頭は比較的疲れていなかったと見えて、書いてある事は苦もなく会得ができた。頭だけはもう使えるなと云う自信の出たのは大吐血以後この時が始てであった。嬉しいので、妻を呼んで、身体の割に頭は丈夫なものだねと云って訳を話すと、妻がいったいあなたの頭は丈夫過ぎます。あの危篤かった二三日の間などは取り扱い悪くて大変弱らせられましたと答えた。

多元的宇宙は約半分ほど残っていたのを、三日ばかりで面白く読み了った。ことに文学者たる自分の立場から見て、教授が何事によらず具体的の事実を土台として、類推で哲学の領分に切り込んで行く所を面白く読み了った。余はあながちに弁証法を嫌うものではない。また妄りに理知主義を厭いもしない。ただ自分の平生文学上に抱いている意見と、教授の哲学について主張するところの考とが、親しい気脈を通じて彼此相倚るような心持がしたのを愉快に思ったのである。ことに教授が仏蘭西の学者ベルグソンの説を紹介する辺りを、坂に車を転がすような勢で馳け抜けたのは、まだ血液の充分に通いもせぬ余の頭に取って、どのくらい嬉しかったか分らない。