Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいでのき
思い出の記
小泉 節子
Lisez 思い出の記 (おもいでのき) de 小泉 節子 (こいずみせつこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 841 caractères · 62 écrans
一種の好みは万事につけてあったのてすが、自分の服装は少しも構わない無雑作なのが好きでした。シャツと帽子とは、飛び放れて上等でした。シャツは横浜へ態々参りまして、フラネルのを一ダースずつ誂えて作らせました。帽子はラシャの鍔広のばかりを買いましたが、上等物品を選びました。
うわべの一寸美しいものは大嫌い。流行にも無頓着。当世風は大嫌い。表面の親切らしいのが大嫌いでした。悪い方の眼に『入墨』をするのも、歯を脱いてから入歯をする事も、皆虚言つき大嫌いと云って聞き入れませんでした。耶蘇の坊さんには不正直なにせ者が多いと云うので嫌いました。しかし聖書は三部も持っていまして、長男にこれはよく読まねばならぬ本だとよく申しました。
日本のお伽噺のうちでは『浦島太郎』が一番好きでございました、ただ浦島と云う名を聞いただけでも『あゝ浦島』と申して喜んでいました。よく廊下の端近くへ出まして『春の日の霞める空に、すみの江の……』と節をつけて面白そうに毎度歌いました。よく諳誦していました。それを聞いて私も諳ずるようになりました程でございます。上野の絵の展覧会で、浦島の絵を見まして値も聞かないで約束してしまいました。