Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lisez 怪塔王 (かいとうおう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 635 caractères · 337 écrans
青江をここで焼け死なせてはなりません。といって、とおくはなれたこの機上から、青江三空曹の燃える服にまで手のとどくわけがありません。
「こまったなあ」
小浜兵曹長は、部下のこの危いありさまをにらんで、ぶるぶると身ぶるいしました。なんとかして助けてやらねばならぬ。この様子では、青江の生命はあと十分ともたないであろうと、気が気ではありません。
「こまったなあ――そうだ、このうえは、おれも青江とともに死ぬんだ」
なにを考えたか、小浜兵曹長は座席のなかをのぞきました。彼は座席の下から、革のふくろにはいった飲水をとりだしました。この革ぶくろを腰にさげると、彼はバンドをとき、座席にぬっとたちあがりました。
彼はいそいで革ぶくろの上をナイフで切り、小さな穴を三つ四つつくりました。それからこんどは、革ぶくろの底を手ばやく紐でゆわえ、その紐のさきを左の手首にしばりつけました。一体彼は、こんなことをしてなにをしようというのでしょう。
もちろんそれは、部下を助けるための一か八かのこころみだったのです。
小浜兵曹長の用意はできあがったようです。
と、見る間に、
「やっ――」
と、小浜兵曹長はかけ声もろとも、機上から怪塔ロケットにはりわたした麻綱にぶらさがったのです。