Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいいにきらわる

怪異に嫌わる

豊島 与志雄

Lisez 怪異に嫌わる (かいいにきらわる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 560 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

その深夜、友人は慌しく坪井君の室に飛びこんで来、真蒼な顔をして喘いでいる。訳を聞けば、人間大の真白な蜘蛛が天井からおりてきて、やがて胸の上にのしかかり、息がつまったのだと云う。その蜘蛛の幻が、眼底から去らず、怪しく心おののいて、一人では寝られぬと云う。

――坪井に現われたのは白衣の女人であり、友人に現われたのは真白い蜘蛛であった。この相違は注意に価する。僕の解釈は云うまい。君自身で考えてみ給え。

友人に試したことで、坪井君はいよいよ、幻はその刀の故だと確信を得た。其後、刀を行李に納め、押入にしまえば、幻は見ず、刀を取出して床の間に置けば、幻を見るので、ますますその確信は裏付けられた。

坪井君は無気味に思いながらも、その刀を伯父に返すのを惜しがった。そして或る研師の手にかけたところ、刀は無銘ながら、確かに青江の相当のものだとのことであった。青江の刀と云えば、福岡貢の十人切の青江下坂をはじめ、妖刀として定評がある。坪井君はなお気味悪くなり、布に包み箱に納めて納戸に隠してしまった。

――こういう話、君は一笑に付してしまうだろう。僕だって、まさか……と思うことに変りはない。