Classiques japonais avec furigana
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こいとじってときんちゃくきり
恋と十手と巾着切
山中 貞雄
Lisez 恋と十手と巾着切 (こいとじってときんちゃくきり) de 山中 貞雄 (やまなかさだお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 138 caractères · 25 écrans
と苦笑して去って行く。
後見送った三次が「甘えもんさ」とにんまり笑った。
S=長屋
棚倉等と捕方が協力して長屋を一軒一軒調べる。
お絹が我が家の戸を開けて「何事だろう」と云った顔で出て来た。
棚倉はお絹に気付いてうっとり見惚れた。
お絹は余り棚倉がジロジロ見るので気味悪くなって中に入る。
棚倉が微笑んだ。側の門弟の一人が、さては、と意味あり気な顔で見合わす。(F・O)
T「翌朝三次は久し振りでお稲荷様にお詣りした」
S=稲荷神社境内
お絹の腰掛け茶屋は閉っている。その前を三次が先刻から往ったり来たりして居たが、三次とうとう立ち止った。
T「家かな?」
と独り言。(F・O)
S=長屋
井戸端でお内儀さん二三人の立ち話し。
お絹の家の表にも五、六人そっと中を覗いて居ます。
其処へ三次がやって来た。
お絹の家の前の人群りを不審に思って立ち止る。井戸端のお内儀が囁き合った。
T「綺麗なひとは倖せね」
と言ったのを小耳にはさんだ三次が、
お内儀に「どうしたんです」と訊く。
お内儀が、
T「何でも立派な剣道の先生とかが是非お嫁にと仰しゃって」
聞いて三次情け無かった。
が、さり気なく去る。