Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おそろしきさくご

恐ろしき錯誤

江戸川 乱歩

Lisez 恐ろしき錯誤 (おそろしきさくご) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 075 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

彼の顔色は、さいぜんから、手酌で可成ビールを飲んで居ったにも拘らず、始め対座した時から見ると、見違える程蒼ざめていた。

勝ほこった北川氏は、益々雄弁に、まるで演説でもしている様な口調で、一生懸命に話を進めて行くのだった。

彼は極度の緊張で、両頬のカッカッとほてるのを感じた。腋の下が、冷い汗でしとど濡れるのを感じた。

「だが、それ丈の謎の様な事実を聞いたばかりでは、僕にはどうにも判断の下し様がなかった。事実の真髄に余程近づいたことは確かだった。併し、真髄そのものは、矢張り今にも分り相でいて、少しも分らなかった。それは無限小の距離には近づき得ても、本体に触れることは絶対に出来ない様な、もどかしさだった。もどかしいというよりは、寧ろ恐ろしかった。僕は、これはてっきり『脳髄の盲点』だなと思うと、身震いする程恐ろしかった。そうして二日三日と日がたって行った。

ところが、ついしたことから、その盲点がハッと破れた。そして、夢から醒めた様に、何もかもすっかり分ってしまった。僕は忿怒の余り躍り上った、そいつこそ、越野が教えて呉れたその男こそ、憎んでも憎んでも憎み足りない奴だった。