Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくそう
悪僧
田中 貢太郎
Lisez 悪僧 (あくそう) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 516 caractères · 11 écrans
内では轎の中にいた夫人が老婆の前で物語らしい書物を読んでいた。老婆は姑らしかった。
老婆を牽きつけていた書物の一章が終ったのであった。
「今日はお墓参りに往って、疲労れておりましょうから、もう、それにして置いて、あとは明日の晩にしてもらいましょう」
老婆が顔をあげて云った。
「そんなに疲労れはしないですけれども、……では、後は明晩にいたしましょう」
夫人は愛嬌のある顔を見せて淑やかに拝をして房を出て往った。
李張は燭火の前に浮き出た花のような姿を見たうえに、奥ゆかしいその物ごしを見せられてますますその女が慕わしくなった。彼は女のさがって往く房はどこだろうと考えたあげく、西房の方へ往ってその窓から覗いた。東房からさがって来た夫人が物悩ましそうに坐って耳を澄ますようにしていた。
遠くの房にいる良人の来る跫音を聞いているだろう、こんな美婦の良人であるから、良人になる人も容貌の好い男だろうと思った。そう思うと李張は妬ましいような気になって来た。そして、己の行為がばかばかしくなって来た。で、引返そうとしていると庭前の方に人の跫音がした。彼は己がこうしているのを邸の人が知って、捕えに来たのではないかと思って、そっと窓を離れて傍の竹叢の中へ身をかくして注意していた。