Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくむ

悪夢

豊島 与志雄

Lisez 悪夢 (あくむ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 930 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

仰向けに寝転んで、煙草を吹かしながら、煤けた天井の、雨漏りの跡らしい汚点を見つめてるうちに、もうそのまま永久に身を動かしたくないような気持へ、底深く沈み込んでいった。何のためにこんな家へやって来たのか? もう先程の情慾も消え失せてしまって、都会の一隅の見馴れない室に、ぽつりと投り出された自分自身だった。やがて彼女が鮨の皿と銚子と豌豆豆の小皿とを運んできても、私はやはり寝そべったまま身を起そうともしなかった。酒が冷えてしまうと再三促されてから、漸く上半身を起した。

「怒ったの?」

私は返辞をしなかった。

「どうしたのよ、黙りこくってて。何か怒ったの?」

「あんなに待たせられてさ、腹も立とうじゃないか。」

「ほんとに御免なさい。お誂えのものがなかなか来なかったんですもの。」

そして私が杯を取上げると、彼女はそのお誂えの鮨をむしゃむしゃ食べ初めた。

「あら、まだ怒ってるのね、こんなに謝ってるのに。」

「謝り方が足りないよ。」

心にもないすね方をしてはみたものの、実はそんな所に気持がこだわってるのではなかった。じっとしてるのが堪らなくなった。

「ねえ、君は、僕が一緒に連れて逃げると云ったら、ついてくるかい。