Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かなしいごかい
悲しい誤解
豊島 与志雄
Lisez 悲しい誤解 (かなしいごかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 139 caractères · 23 écrans
小さな食卓の上に、銚子と盃があり、海苔巻きの鮨を盛った中皿が一つあった。酒の方は分るが、鮨はどうしたのであろう。私が註文したのだろうか。黒く光ってる海苔の肌が、たまらなく淋しく、私は盃を取り上げた。
突然、びくっとしたほど突然、さよ子が音もなくはいって来た。番茶の土瓶を持って来たのだ。
「お酒はもう毒よ。お鮨をあがるといいわ。」
茶碗に、湯気のたつ熱い茶をついでくれた。悲しさが突発して、私は身内が震えた。肥った彼女ににじり寄って、その膝に顔を伏せ、更に寄り縋って、その胸に顔を埋めた。静かに坐ってる彼女の肉体が、ぴくりぴくりと動き、それから温く私を包みこんでくれた。
「僕は悲しいんだよ。泣きたいんだよ。」
言葉と一緒に、ほんとに涙が出て来た。
「君はだれだい。あ、さよちゃんか。」
私はまた泣いた。
「ね、分ってくれるね。僕は淋しく悲しいんだ。人間てものが、悲しいんだ。胸に何か、愛情みたいなものが、いっぱいたまってきて、それを誰かに訴えたいんだ。」
「いや、大きな声をなすっちゃいやよ。」
「うん、分ってる、分ってる。」
私は彼女になお縋りついてゆく。
「誰かに訴えたいんだ。