Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じょうき
情鬼
大倉 燁子
Lisez 情鬼 (じょうき) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 393 caractères · 35 écrans
「オホホホホホホ。気がつかなかったの? あれや人形ですよ」
「えッ。人形?」
私はぞっとした。
「あの似顔なかなかよく出来ていましたね」
「じゃ宮本夫人が持っていたあのほの白い棒、あれや何でございますの?」
「さあね、まあ云うのは止しましょう。どうせいまに分るでしょうから」
夫人は意味ありそうに微笑した。私はあの小さいほの白い棒が気にかかってならなかったが、強いて訊いてみるだけの勇気もなかったので、その儘黙ってしまった。夫人は気の抜けたようになっている私を急き立てて、こんどは改めて表玄関から名刺を出し、吉岡五郎氏に面会を求めた。二人は長い間玄関の敷石の上で待たされた。
軈て取り次ぎのボーイに案内されて、細長い廊下を幾度も曲り、やっと吉岡氏の扉の前に立った。ボーイはノックしておいてから二人を残して立ち去った。
ここでもやや少時待たされた。室内をあっちこっち歩く靴の音を聞きながら彳でいると、扉が内から颯と開いて、吉岡五郎氏の美しい姿が燈を背にしてすらりと立っていた。
「宮本さんの奥様、いや。今日は吉岡秘書官としてお目にかからせて頂きましょう」
はっとしている宮本夫人を押し入れるようにして、S夫人は室内に入り、同時に自分で扉を閉めてしまった。