Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おろかないちにち

愚かな一日

豊島 与志雄

Lisez 愚かな一日 (おろかないちにち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 045 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

自分に何かと力をつけてくれたり、自分の身体を心配してくれたりする彼の友情は、美しい深いものに違いない。然るにそれを初め感謝していた自分の心は、なぜこの頃一種の反撥を感ずるようになったのか。学生時代の友情は一種の特権を与えるが、友情が特権を与えなくなる時もやがて来るのか。

其処まで考えてきて彼は淋しくなった。自分自身が淋しくなった。そして眼を閉じた。

「まだ眠いのかい。」

そういう声がしたので眼を開くと、瀬川が彼の方を覗き込んでいた。彼は苦笑しながら答えた。

「うむ。今日はどうしたのか妙に眠い。」

「ではゆっくりお眠りなすったらどう?」と妻が云った。「その間瀬川さんには海の方でも散歩して来て頂いたら……。私は晩の仕度を整えておきますから。」

「それがいい。」と彼は云った。「今晩は何か少し御馳走をおしよ。瀬川君、失礼だが僕は少し眠るから、海の方でも歩いて来ない? 晩秋の海っていいもんだよ。」

「僕もそう思ってた所だ。では夕方また此処で、三人落ち会うとするかね。……此の次は君も一緒に散歩出来るといいね。」

瀬川が海の方へ出て行くと、彼は横に寝返りをして、襖の紙の枇杷色をじっと眺めていた。