Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おろかないちにち

愚かな一日

豊島 与志雄

Lisez 愚かな一日 (おろかないちにち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 045 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

瀬川が帰っていった後、彼は前のような数行を認めたのである。

その時のことを思い浮べると、彼は何とも云えない淋しい気になった。隣室の会話はなお途切れ勝ちに続いていた。然しもうそれに耳を傾けるのも億劫になってきた。じっと眠ったふりをしているのが堪えられなくなった。「どうして自分は妻と瀬川との話を盗み聞きする気になったろう?」とも自ら反問してみた。すると「馬」ということが頭に浮んできた。訳の分らぬもどかしさが胸に感じられた。

彼は寝返りをした。

その音をききつけてか、妻はすぐにやって来た。

「あなた、あなた、お眼覚めなすったの? 今瀬川さんが来て被居してよ。」と彼女は云った。

彼はその声に初めてはっきり眼を覚ましたような様子をした。

「そう、瀬川君が?」

「ええ、先刻から来ていらしたけれど、あなたがよく眠っていられるものですから……。」

彼が何とも答えないうちに、瀬川はもう其処にはいって来た。

「やあ、随分よく眠るね。」

「だいぶ前から来てたのかい。」

「いや、つい今しがただったが。」

彼は瀬川の顔をじっと見た。健康そうな顔の色、綺麗に分けた頭髪、大胆でどこか皮肉らしい眼付、頑丈な鼻、剃り立ての蒼みがかった※(「臣+頁」