Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あいしょへき

愛書癖

辰野 隆

Lisez 愛書癖 (あいしょへき) de 辰野 隆 (たつのゆたか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 404 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

之は如何にも俗見で、ブーラール夫人にしたところで、滅多に箝めない宝石入の指輪を大事に蔵っていた形跡があるのだから、此の小言は無理である。然し、ブーラールは気立のやさしい人だったから、細君の警告に従った。ところが間もなく、どっと床に就いて、わけのわからぬ熱が出て、仲々直おらない。そこで細君は、亭主の親友で、同じく愛書家であるドクトル・デキシュレに相談せざるを得なくなった。ドクトルは患者の脈をとり、胸をたたき、舌を出させた後で、病軽からずと診断した。彼の説に拠ると、病人の発熱は恋の病と同系統の衰弱から来る発熱で、見捨てられた許嫁などにも此種の発熱が往々にしてある。ブーラール氏の場合は書物に対するノスタルジーであると宣告した。細君も亭主の趣味を拒否してまで、後家になるのは厭やだったと見えて、直ちに禁を解いた。ブーラールの病は其日の中に癒えて、其後何年間、好きな本を買って買って買いぬいて、芽出たく往生を遂げた。彼の死後、蔵書の競売が三年間も続いたそうであるが、彼が死んでから今年で丁度百年になる。フランスの或物好きが、十八世紀の食通、『味覚の生理』の著者ブリア・サヴァランの百年祭を催しながら、我がブーラール大人の百年祭を催さぬのは不合理であると慨歎しているのも、愛書家の身になって見ればあながち理由のないことではない