Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans

Aozora Bunko

お部屋へ行ってみると、千々子さまは、このごろ、そればかり着ているレースのついた洒落れたアフタヌンにおさまり、長椅子のうえに足を投げだして、ジャルダン・デ・モードを読んでいらっしゃった。

「さっそくですがね、白い馬はどうしたの。なにか、お便りがあって?」

千々子さまは感ちがいをして、どうしたまちがいか、ほかの男のひとのことをしゃべりだした。

「あのひとね? あれから二度ばかり、家へきたことがあるわ……黒いってほどじゃないけど、煤っぽくて、白馬って感じじゃないわね。せいぜい駱駝ぐらいのところ……愛情も、ずいぶんへんてこなの。あたしの手に、ちょっと触っただけで、昂奮するという過敏ぶり……扱いかねて、あぐねちゃったわ。婚約者がありますから、結婚できませんって断ったの」

「そんなのも、あったんだね。知らなかった」

「あなたも駄目ね。千々子ってものを、ちっともわかっていないじゃありませんか。相手によっては、嘘をまぜてものをいうほうが、便利なことだってあるんです。よくおぼえておきなさい」

と、おっしゃった。

翌日の夕方、賢夫人と千々子さまが、こんなことをいっているのを、通りすがりに聞いた。