Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans

Aozora Bunko

洋館といっている一廓も、ずいぶん古めかしいものだったが、御所造りの日本家屋のほうには、びっくりするような古代の空気がよどんでいた。

長持ち部屋だの、用途不明な部屋が、あちらこちらにあり、入り側になった廊下には、必要もない段々をつけて、わざと上ったりおりたりさせ、上の厠といっている二ノ間つきのご不浄は、畳を敷きつめた六畳ほどの広さで、地袋の棚には、書見台と青磁の香炉が載っているといったぐあいである。

そのかみの大名の客間だったところは、廊下から七寸高い上段の間になり、床脇の棚は醍醐の三宝院の写し、縁の手摺りは桂御所のを、杉戸は清閑院の御殿のを写し、なにもかもみな写しで、つい大正のはじめごろまでは、畳縁に鶴ノ丸の小紋を散らした上段の間に、紋綸子の大座布団を敷き、銀糸の五つ紋の羽織りに上田織りの裏付けの袴をはいた殿さまが、天目茶碗と高坏を据え、反り身になって、

「うちゃの!」

などと老いたる鶯のような声をだしていたのだそうである。

そのころ、わが石田一家は田舎に疎開していたので、現場に居合わさなかったが、麻布の家が接収されるときには、日米相互の誤解にもとづく、滑稽な、もんちゃくがあったらしい。