Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

われにそむく

我に叛く

宮本 百合子

Lisez 我に叛く (われにそむく) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 414 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

拡がった布をよけて、傍に坐りながら、ゆき子は葉書を見せた。「云ってやらなければいけないわね。どう?」

「そうさね、何か、相当な用らしいね」

「ただ、いませんだけでは済まないわね? 私電報を打とうかと思うの? その方がいいでしょう?」

「何て?」母は、再び布地に物指しをあて始めた。

「何てって……」ゆき子は、母の無感興を感じ、困った気持になった。

「こうこう云って来たが、帰るかって訊いてやるんじゃあないの?」

「――いいだろう……」

「じゃあそうするわね。……何て書いたら好いかしらん」

ゆき子は、針箱の傍に頼信紙を展べ、その上に窮屈そうに屈みながら、頻りに指を折って、要領のよい電文を拵えようとした。けれども、彼女の心を冷したことは、母が一向親身になって、相談に乗ってくれないことである。ゆき子が、一生懸命に、

「ね、おかあさま、これですっかり意味が通じるでしょうか?」

と問ねても、「もっと好い云い方を教えて下さらない?」と頼んでも、彼女は、糸じるしをつけながら、ただ義務的に、「そうだね」とか、「さあ……」とか呟くばかりなのである。そればかりか、余り幾度も、娘が同じ文句を繰返し繰返し考えているのを見ると、彼女は殆ど怒ったような調子でつぶやいた。