Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
われにそむく
我に叛く
宮本 百合子
Lisez 我に叛く (われにそむく) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 414 caractères · 59 écrans
第一、仕事は相変らずちっとも出来ない、より深い憂鬱を感じる。――母と、感情の縺(もつ)れを起したことだけでも、全く予期には反していた。母も、勿論そうしようとは思わなかっただろう。自分とても、意企して惹起したことではない。けれども事実は、被い隠せない。真木が、彼の表情のかげに漠然と漂わせた危惧がすっかりそのまま、象(かたち)を具えて現れたと云っても好いのである。
然しゆき子は、自分の計画が失敗したことを、些も良人の前に自尊心を傷けられることとして、愧(はじ)る気にはなれなかった。意地を張って、何とか、彼とかよかった点を見付け出して説明しようとする気もなかった。しんから折れて、自分の心が安らかに棲むべき処は、矢張り「私共の家」ほかなかったことを、承認せずにはいられない心持がするのである。
自分が頑張って良人に譲歩をさせたことが、ゆき子には、今になって苦しいような心持がした。
自分達の、慎ましい簡素な日常を、更に新しい愛で思い返すと、女らしい献身(デボーション)がゆき子の渾心を熱くした。つぶった眼の奥では、ありありと、何故か冬の夜らしく閉め切った八畳の部屋が浮上った。