Classiques japonais avec furigana
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わがやのえんげい
我家の園芸
岡本 綺堂
Lisez 我家の園芸 (わがやのえんげい) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 666 caractères · 8 écrans
オレンジ色も美しい。これも初霜の洗礼を受けて、その濃い色を秋の日にかがやかしながら、見あぐるばかりに枝や葉を高く大きく拡げた姿は、まさに目ざましいと礼讃するのほかはない。わたしの庭ばかりでなく、近所の籬落には皆これを栽えているので、秋日散歩の節には諸方の庭をのぞいて歩く。それが私の一つの楽みである。葉鶏頭は鶏頭に比してやや雄大の趣を欠くが、天然の錦を染め出した葉の色の美しさは、なんとも譬えようがない。しかもわたしの庭の葉鶏頭は、どういうわけか年々の成績がよろしくない。他から好い種を貰って来ても、あまり立派な生長を遂げない。私はこれのみを遺憾に思っている。
わたしの庭の草花は勿論これに留まらないが、わたしの最も愛するものは以上の数種で、いずれも花壇に栽えられているものではない。それにつけても、考えられるのは自然の心である。自然は人の労力を費すこと少く、物質を費すこと少きものを択んで、最も面白く、最も美しく作っている。それは人間にあたえられる自然の恩恵である。人間はその恩恵にそむいて、無用の労力を費し、無用の時間を費し、無用の金銭を費して、他の変り種のような草花の栽培にうき身をやつしているのである。