Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるひのたいわ
或る日の対話
豊島 与志雄
Lisez 或る日の対話 (あるひのたいわ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 277 caractères · 11 écrans
一方では、砂糖は既に払底、塩も極度に不足、味噌醤油はとぎれがちという有様。これで無事に生きてるのが不思議なくらいだ。
「一体、東京の人口は半分になったといっても、まだまだ多すぎるよ。用のない人間がうようよしているし、焼け残りの家の中にうじゃうじゃつまっている。呆れたもんだね。然し、呆れてばかりいては、生存に必要なカロリーも取れやしない。俺の愛する娘も、だいぶ栄養失調の恐れが濃厚になってきた。
「外の者はどうでもよいから、せめて娘にだけは腹一杯食べさせたいと、俺はいつも思っているんだ。そして、何かとごまかしては、なるべく旨いものを食べさせようとたくらむんだが、娘はただばか善良で、これは叔父さまに、これは叔母さまに、これは何々ちゃんにと、少しでも美味なものはみな外の人に廻して、自分の口には入れない。
「そこで俺は、計略を用いたよ。或る時、これはまた実に珍らしく、実に特別に、砂糖の粉がふいてる甘いヨウカン二本手に入れた時のことだが、玄関につっ立ったまま、娘を呼びだして、近くの神社に連れて行った。そこの境内の池の中に、海亀が泳いでいたというわけさ。行ってみると、どこかへ隠れている。