Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せんそうはぼくをおとなにした

戦争はぼくをおとなにした

小川 未明

Lisez 戦争はぼくをおとなにした (せんそうはぼくをおとなにした) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 627 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

もうお家はないんだよ。」と、母の声は、小さく、ふるえました。

「そう、だったか。」と、清吉は思った。そしてこのときほど、自分の母をいたましく、感じたことは、なかったのでした。

「義雄ちゃんのおじいさんが、焼けたら、いつでもこいといったよ。ぼくは、なんでもして、これからおかあさんのおてつだいをするから。」と、かれは、胸の中が熱くなって、母を元気づけようとしても、わずかに、これだけしかいえなかったのでした。

しかし、母は、なんとも答えず、いつまでも泣いていました。かれは、これではならぬと知って、

「おとうさんが、帰れば、新しい家をこしらえてくれるよ。」と、つづけていいました。

しばらくすると、母は、泣きやんで、そでで顔をふきながら、

「おまえがあるから、おかあさんは、もう、けっして泣きませんよ。」と、母は、いったのでした。

清吉は、あの日のことを思い出しました。もしそうでなかったら、きょう、おばあさんをみても、なぐさめようとしなかったでしょう。

「ぼくは、もうおとななんだから……。」

かれは、はりきった気持ちで、胸をそらし、両足に力を入れて、電車道を歩いていったのでした。