Classiques japonais avec furigana
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せんそうざっき
戦争雑記
徳永 直
Lisez 戦争雑記 (せんそうざっき) de 徳永 直 (とくながすなお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 149 caractères · 25 écrans
の頃であった。
学校は、祝賀のために、校長先生が奉天が陥落して、日本軍が大勝利であったことを話したきりで、その日は休みであった。
村では鎮守に、お神酒があがった。叔母は、もう叔父が明日にでも、戦地からかえって来るように、喜んだ。
ロシアの捕虜が、送られてきた。十三連隊が虜にした、ロスケの赤鬚が、練兵場の仮小屋の中に入れられる、というので、私達は村の人達と一緒に見に行った。
ロスケはみんな、背が大きかった。私が想像した通り、鬚が赤くて、眼がビィドロのようで、鈍間らしい風付であった。みな黒い笊のような帽子を、冠っていた。そして捕虜はみんな私達小児の顔を見て、ベチャクチャ喋りながら、ニコニコ笑って通った。
「ロスケが笑っとる!」
私達は随分、ロスケは意久地ないなぁと思った。銃も剣もとりあげられて、それでニコニコしている。私は何だか不思議に思えた。
私達は、学校のかえりに、廻り道して毎日のように捕虜を見に行った。
「弱ゴロの赤鬚――」
「剣はどうした?」
私達は、竹柵の外から、鮨詰に押し込まれている、ロスケを罵しったり、石を抛り込んだりして、一時間ぐらい費やした。